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食欲そそる焼き加減に
挑んだら、
新素材の無塗装
フライパンができました。

本格調理と扱いやすさは、両立できるか?

ちょうどいい量や手順に着目してきた私たちが、どうしても実現したかったこと。それは、食欲をそそる焼き加減。研究所員の「家で肉をおいしく焼きたい」という声に「それなら高火力調理ができる鉄板がイチバン!」と素材に目星を付けたものの、「鉄フライパンは使いこなせる自信がない」と尻込みする所員が出現。
ならばネックの扱いにくさを解消し「初心者にもやさしい、鉄フライパンをつくろう」と新たな挑戦がスタートしました。

くっ付き&焦げ付きを防ぐカギは、表面にあり。

着手したのは、鉄を使ったキッチンツール「鋳物」の検証。加熱時の様子を観察してみると、鍋底が滑らかな部分に食材がくっ付きやすく、ザラ付く部分はくっ付きにくいことがわかりました。
つまり表面がツルツルだと食材が密着して油を弾き、ザラザラなら凹凸に油が入り込んで膜をつくる。「均一にザラザラした鉄素材」を使えば無塗装で、くっ付きや焦げ付き、サビまで防ぐと確信しました。

異分野技術を応用した、ナノエンボス®誕生。

「均一にザラザラした鉄素材」の開発でお手本にしたのが、なんと建築の塗装技術。金属粒をぶつけてできる鉄表面の凹凸で塗装の付着を促す技術を用いて、鋳物での検証と同様に特別な手間なく油がなじみやすい状態をつくり出したのです。
こうして微細な凹凸を施すことでシーズニング効果を得られる、新素材・ナノエンボス®が誕生。鋳物の重さを伴わず、鉄フライパンの扱いにくさを軽減する理想的な素材ができました。

鉄ならでは! 圧倒的な「焼くチカラ」とは?

ところで皆さんは、強火調理が「ワンランク上のおいしさ」につながる理由をご存知ですか。それは食材の表面をコーティングしつつ、水分を逃さず閉じ込められるから。外はカリッと香ばしく、中はふっくらしっとり、またはシャキッと仕上がるからです。
製品の開発過程ではあおりやすく傾斜を設ける案も出ましたが、高火力の恩恵を最大化して圧倒的な「焼き」のおいしさを目指すため、最終的に熱と接触する底面が広い設計を採用しています。

ギリギリを攻め続けた、重さとの闘い。

お客様との会話から、フライパンを持つ際の重さは1,000gまでと想定。そのため大小の展開を模索するも重量オーバーで断念したり、重さを分散する両手鍋を検討したり、型別に重さを感じにくいハンドル角度を割り出したりと、ギリギリの微調整を続けました。
さらに「服はサイズ違いでも価格が同じでは?」という気づきに出会い、浅型・深型ともに同価格に。純粋にご家庭での使い勝手をイメージして選んで欲しい、そんな思いも込めています。

一生モノだからこそ、無垢の鉄にこだわって。

開発計画もいよいよ終盤。最後の課題は「お手元に届くまでのサビをどう防ぐか?」「無垢の鉄は加熱部分が黒みを帯びるが色ムラをどう捉えるか?」。シリコンクリアを施す、窒化するなどの対策も挙がりましたが、製品の内面も外面も「無塗装」を選択。
一生モノになるかもしれないからこそ、飾らないシンプルさを大切にしようと決めました。油を塗り防錆袋に入れての発送と、自然な変化ともいえる色ムラにご理解いただければ幸いです。

※ナノエンボス®は杉山金属株式会社の登録商標です