令和的「おいしいご飯食」を研究したら、
洗米&炊飯を楽にする
二層鍋ができました。

ご飯を炊くハードルを、下げられないか?
2023年9月「炊飯器を持たない20代が増えている?」という議題が、燕三条キッチン研究所の会議で取り上げられました。
お米離れといわれるものの、にわかに信じがたい情報を耳にした新潟県民の私たち。「炊きたてご飯の多幸感を、ぜひ味わってほしい」「パックゴミ削減のためにも、手間のかからない炊飯を」。そんな使命を背負って商品化したのが「食べきれる量」と「扱いの手軽さ」をシミュレーションした「大人2人用の炊飯鍋」でした。

適量のグラム数を、“合” に変換してみたら。
まず検証したのは適量の設定。「ご飯一杯といっても茶碗の大きさは人それぞれ違うから、基準がわかりづらい」という議論から始まり、「家族が多くてもみんなが食べるわけじゃない」「家族2人だと1合では足りず2合では余る」などの意見が出ました。
そして「最適なグラム数を“合”に変換したらどれくらい?」と検討を重ね、あえて割り切れる合単位を採用せずに、「最大で1.5合炊きがサイズとしてほどよい」という答えにたどり着きました。

はんごう炊飯より、簡単なイメージへ。
気分的にも負担感なく「ご飯、炊こう!」と行動に移せるようにするには、どんなツールがいいものか。
「毎日食べないなら炊飯器は少しジャマ?」「土鍋や鋳物鍋で炊く人もいるよね?」「そこまでの気合いはないけどパックご飯は味気ない」などの視点を経て、「使いたい時にいつでも使えて米研ぎも楽な、はんごう炊飯より簡単なイメージの炊飯鍋はどうだろう」と考え、試作品づくりを進めていきました。

ご飯のおいしさと、温度上昇の関係とは?
量とスタイルは固まりましたが、もっとも大切なのは食味です。そこで先人たちの「おいしく炊くための知恵」を収集。「氷を入れると、なぜふんわり甘く炊き上がるのか?」「土鍋ご飯は、なぜ味わい深いのか?」に注目し、その理由を探ることに。
調査と分析の末、有力だったのは「どちらもじわじわと温度が上がる」説。ゆるやかな温度上昇を目指すなら、直接的な加熱でない方がいいと結論を出し、「二層の蒸気鍋」へと舵を切りました。

蒸気穴に、水切り穴の機能をプラスして。
コンパクトなまま機能をアップする際に重要な、ひとつで二役を担う形状。この炊飯鍋では内鍋の蒸気穴を、シャカシャカ振る洗米時の水切り穴としても使える設計にしています。
とはいえ加熱時はふっくら炊くためほどよい蒸気を送りつつ、洗米時はお米をこぼさずスムーズに水を切る、この両立にはかなりの試行錯誤が必要でした。穴の大きさ・数・位置のほか、蓋と内鍋の隙間を0.5mm単位で調整し、この形を導き出しています。

外鍋は四角い箱、内鍋は円筒形にした理由。
外鍋の役割は、水を入れて沸騰させ炊飯用の蒸気をつくること。そのため外鍋には低い水位でもたっぷりの水量を確保できる、四角い箱形を採用しました。一方で内鍋は、思いきって円筒形に。この選択により、外鍋との間に生まれる四隅の空きを、蒸気の通り道および水切り穴のスペースに充てることができました。
洗米&炊飯のハードルを下げる、今の時代にぴったりな炊飯鍋です。これからはもっと気楽に、ご飯食を味わってみませんか。

